アメリカ外交文書の日本部分の大半の非公開を求める「日本政府」。「全ての同盟国と友好国の中で、日本が最も公開政策に非協力的

投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 1 月 03 日 22:25:05:

アメリカ外交文書の日本部分の大半の非公開を求める「日本政府」。「全ての同盟国と友好国の中で、日本が最もわれわれの外交記録の公開政策に非協力的だ」
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03, 2017 22:00 リュウマの遺言
 早朝はそうではなかったのだが9時ごろから急に霧に包まれた。日が昇って昼には晴天となったのだが… こんな「天気」とは裏腹に我が家の購読紙『西日本新聞』の一面と三面ではこんなニュースを伝えている。全国紙ではないので、紹介しておこうと思う。

   



    2017年01月03日 西日本新聞
             外務省が「核密約」非公開要請

 【ワシントン山崎健】日本の外務省が1987年、米政府に対し、核兵器の持ち込みに関する密約を含む50年代後半の日米安全保障条約改定交渉など、広範囲にわたる日米関係の米公文書の非公開を要請していたことが、西日本新聞が米情報自由法に基づき入手した米公文書で明らかになった。密約などについて米側は要請通り非公開としていた。米公文書公開への外務省の介入実態が判明したのは初めて。

文書は87年4月、米公文書の機密解除審査部門責任者の一人、故ドワイト・アンバック氏が作成した「機密解除に関する日本の申し入れ書」。作成から30年たち機密解除の審査対象となる50年代の米公文書について、在米日本大使館は87年1、3月、機密を解除して国務省刊行の外交史料集に収録しないよう同省東アジア太平洋局に文書で申し入れており、同局とアンバック氏が対応を協議した3ページの記録だ。申し入れは米歴史学者の調査で判明していたが内容は不明だった。

 文書によると、日本側が非公開を求めたテーマは(1)「核兵器の持ち込み、貯蔵、配置ならびに在日米軍の配置と使用に関する事前協議についての秘密了解」(2)「刑事裁判権」(3)「ジラード事件」(57年、群馬県で在日米軍兵士が日本人主婦を射殺した事件)(4)「北方領土問題」(5)「安保改定を巡る全般的な討議」。(1)(2)については「引き続き(公開)禁止を行使する」との結論が明記されていた。

 日米外交史に詳しい菅英輝・京都外国語大教授は(1)について安保改定時の「米核搭載艦船の通過・寄港を事前協議の対象外とした核持ち込み容認の密約」だと指摘。今も関連文書の一部は非公開だ。(2)は53年の日米行政協定(現在の日米地位協定)の改定時に、米兵らの公務外犯罪のうち重要事件以外は日本政府は裁判権を放棄したとされる問題とみられるという。

 一方、(3)(4)(5)については事実上、要請を拒否する方針が記されていた。

 文書によると、アンバック氏は「われわれは広範囲にわたる際限のない非公開要請には同意できない」と強調。外交史料集刊行などに「深刻な問題を引き起こす」と警告し、全て受け入れれば関係する二つの巻のうち1巻は全体の約3分の1、残る1巻は60%以上の分量が影響を受けると懸念。「これは米政府による情報公開を外国政府が統制できるのかという根源的な問いを提起している。答えは明らかにノーだ」と強い不快感を示していた。

      外務省、隠蔽体質あらわ 元国務相担当者が証言  --3面の記事 --

 【ワシントン山崎健】外務省が1987年、広範囲にわたる米公文書の非公開を米政府に要請した際、国務省東アジア太平洋局日本担当として米政府内の協議に参加した元駐韓米大使のトマス・ハバード氏(73)が西日本新聞の取材に応じた。ハバード氏は日本からの非公開要請は他にもあったと指摘。民主主義の根幹をなす国民の「知る権利」を無視した外務省の隠蔽(いんぺい)体質が浮き彫りになった。

 国務省刊行の米外交史料集編さん史の共著者で、87年に在米日本大使館から同局に非公開の公式な申し入れがあったことを突き止めた米歴史学者のジョシュア・ボッツ氏(37)によると、要請を米政府の機密解除審査部門に伝えたのがハバード氏だった。   -- 中略 --

 米政府は最終的に核密約と「刑事裁判権」以外のテーマの非公開要請には応じられないと決定。ボッツ氏によると87年8月までに日本大使館に伝えられた。

 西日本新聞が入手した米公文書には「全ての同盟国と友好国の中で、日本が最もわれわれの外交記録の公開政策に非協力的だ」との記述もあった。ハバード氏も「日本が最も嫌がっていたというのは間違いなかったと思う」と振り返った。ハバード氏は情報公開に対する当時の日米の姿勢の相違は「両国の政治的な成長の段階の違いが反映されていたと考えていた」と指摘した。

 一方、米中央情報局(CIA)が50〜60年代に自民党政治家らに資金提供していた問題についても外務省が90年代、関連の公文書の公開に強く反対する意向を米政府に伝えていたと、米外交史料集編さんに携わった米アリゾナ大教授が2015年、西日本新聞に証言。外務省はこの件について「確認できなかった」とするが、80年代から慣例化し現在も随時行われていると思われる非公開要請の一環だったとみられる。

                                 -- 引用終り --

 日本政府が持っている「公文書」なるものの信頼性は低い、これが世界の常識であろうと思う。上の記事でいうと、「沖縄密約」に関しては「核付き返還、日本側の費用負担」であることは、この公文書がいったん公開され、もしくは付帯文書などが公開された事ではっきりしているのだが(その後日本側の要求で非公開)、外務省は「確認できない。」の一辺倒であって、そういう事実を認めていない。もちろん、政府も「知らぬ顔の半兵衛」を決め込んだままである。米軍に対する「刑事裁判権」は、その交渉過程がいったん公開され、それを読むと、なんと日本側から積極的に『裁判の放棄』を申し出ているのであるから驚く。それが事実でないなら「政府から抗議」すればよいが、事実なら公開されたくないだろう。何しろ、「余程の重犯罪でない限り、起訴しない。」と言うのだから… こういう史実があって、「米軍の犯罪は少ない」などと統計資料を持ち出しての議論は鼻からかみ合わないわけだ。

 日本国内にいると、さほど不自然とは思わないかもしれないが、周りから見れば、「信用できない国家」ということになる。アメリカの偉大さは、間違いを間違いと認める事であって、その政権時にはたとえ行われなくとも、後世で実施し、それを記録として残していく。今度のトランプ大統領も、その政権時には『誤った政策』を実行するかもしれないが、必ず「検証」され、記録されていく。国会議事録を改変したり、それに合わないからと「その部分の映像」を削除したり、総理発言を勝手に書き換えたりすることに、何の反発も日本社会に起きないのなら、「やはり、おかしい」と思う方が自然だろう。
 
                                          布施祐仁
アメリカは元々、密約にするつもりはなかったんですよね。でも、日本側が国民に説明がつかないからと秘密にすることを求めて密約になったのです。日本政府はアメリカの無茶な要求を拒否するのではなく、国民に秘密にすることを条件に飲むというのが日米間の安保協議の一つのパターンになってきました。

   



       密約でも記録