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2015.07.15
安倍晋三首相によると、「南シナ海の中国が相手」だという「安全保障関連法案」http://gendai.ismedia.jp/articles/print/43909 が衆院特別委員会で強行採決され、自民党と公明党の賛成多数で可決されたという。憲法に違反していることは明白で、時間をかけるほど反対が増える可能性は高い法案だと政府も認識しているのだろう。安倍政権にとってこの法案を成立させることが重要なのであり、時間をかける意味はない。
言うまでもなく、こうした強硬策が可能なのは、与党が議席数で野党を圧倒しているからにほかならない。衆議院は昨年の選挙で475議席のうち与党の自民が291議席、公明が35議席で合計326議席、野党は合計149議席。与党が圧倒している。2013年の参議院選挙の結果、与党は135議席、野党は107議席。選挙に不正があったかどうかはともかく、結果として議席数で与党は強い立場にある。
こうした選挙結果を生み出した最大の理由は民主党の「自爆」にある。菅直人政権と野田佳彦政権が公約を投げ捨て、自民党の小泉純一郎政権と同じ道を驀進しはじめたのだ。変革への希望は絶望へと変わり、国民に支持されているとは言えない自民党と公明党が圧倒的が議席を得ることになったと言える。
菅直人が首相になれたのは、その前の首相、鳩山由紀夫がマスコミなどの攻撃に耐えきれず、辞任したおかげだ。その背後には当然、アメリカが存在していただろう。マスコミは露骨に日米好戦派のプロパガンダを展開、沖縄以外の日本人を戦争へと導くことに成功した。
鳩山を攻撃する前、マスコミは東京地検特捜部と手を組み、民主党を率いていた小沢一郎を葬り去ろうとしていた。小泉政権時代、週刊現代は2006年6月3日号に「小沢一郎の“隠し資産6億円超”を暴く」というタイトルの記事を掲載、翌年には小沢の政治資金管理団体「陸山会」の政治資金収支報告書に問題があるとマスコミと東京地検が激し攻撃を始めたのだ。そしてアメリカの好戦派にとって扱いにくい小沢を排除し、鳩山を引きずり下ろすことに成功、安倍政権の暴走につながるわけだ。
この「事件」は言いがかりにすぎず、これが認められたなら、議員どころか日本中、多くの人が同じ行為で犯罪者にされてしまう。「小沢嫌い」なのか「小沢憎し」なのか、そうしたことを気にせず、検察に同調する人は少なくなかった。
その間、アメリカと日本の好戦派は何をしていたのか?
これは何度も書いてきたことだが、始まりは1992年のウォルフォウィッツ・ドクトリン(DPGの草案)。1994年に国防大学のスタッフだったマイケル・グリーンとパトリック・クローニンがカート・キャンベル国防次官補を介してジョセフ・ナイ国防次官補やエズラ・ボーゲルに会い、日本が自立の道を歩き出そうとしていると主張、1995年の「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」につながる。
1997年には「日米防衛協力のための指針(新ガイドライン)」が、また2000年にはナイとリチャード・アーミテージのグループによって「米国と日本-成熟したパートナーシップに向けて(通称、アーミテージ報告)」が作成された。そして2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターやワシントンDCの国防総省本部庁舎が攻撃される。
2002年には小泉純一郎政権が「武力攻撃事態法案」を国会に提出、03年にはイラク特別措置法案が国会に提出され、04年にアーミテージは自民党の中川秀直らに対して「憲法9条は日米同盟関係の妨げの一つになっている」と言明、05年には「日米同盟:未来のための変革と再編」が署名された。
そして2006年、キール・リーバーとダリル・プレスはロシアと中国の長距離核兵器をアメリカの先制第1撃で破壊できるとする論文https://search.yahoo.com/yhs/search?hspart=GenieoYaho&hsimp=yhs-fh_ds&type=a1430659377519185&p=http%3A%2F%2Fwww.foreignaffairs.com%2Farticles%2F61508%2Fkeir-a-lieber-and-daryl-g-press%2Fthe-rise-of-us-nuclear-primacyをフォーリン・アフェアーズ誌(CFR/外交問題評議会が発行)に書いている。
この頃、アメリカはすでにイラクを先制攻撃し、100万人とも言われる人びとを虐殺している。その後、戦乱はリビアやシリアへと拡大させているが、これは1991年にウォルフォウィッツが語っていたプラン通り。旧ソ連圏も軍事的に破壊、今はウクライナ。さらにカフカスなどからロシア、中国の新疆ウイグル自治区へも傭兵(かつてアル・カイダと呼ばれていた戦闘集団)を送り込む準備をしている。残るは東アジア。
ここにきて野党やマスコミは「安全保障関連法案」を強行成立させようとしている安倍政権に対して批判的な言動を示しているが、つい最近まで推進派だった。アリバイ工作と言われても仕方がないだろう。ここまでくるとできることは限られている。