命をかけた抗議を隠蔽する大手メディア――早くも特定秘密保護法の発動か(生き生き箕面通信)
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2014-07-08 08:49:21
集団的自衛権行使容認の閣議決定に反対するため、焼身自殺という文字通り命をかけて抗議する男性がいたことは伝えられました。しかし、おかしなことにその後の続報はほとんど、伝えられません。まるで、「一切、なかった」かのようです。
焼身自殺を図り、全身やけどした男性は、事前にテレビ局などに文書を送っていたともささやかれていますが、今のところ、名乗りでる局はありません。これも、日本の大手メディアの現在の姿を端的に示す例です。
集団的自衛権が閣議決定されたのは、7月1日。それに先立つ2日前の6月29日、JR新宿駅南口の歩行者用横断橋上で、背広をきちんと着込んだネクタイ姿の男性が拡声器で、「集団的自衛権反対」など訴え、与謝野晶子の「君死にたもうことなかれ」を口ずさんだ後、自らに火をつけました。
火は、待機していた警察などに消し止められ、男性は全身やけどをしたものの、新宿署によると「命に別条はない」そうです。
それにしても、その後、うんともすんとも報道がないのは、異常というほかありません。週刊誌や夕刊紙ですら、容易に手が出せないようです。
これほど徹底した情報管制は、戦時中なみといえます。おそらく官邸が主導して報道各社に「報道を控えるよう」と形のうえでは”要請”し、その実、厳しく”命令”したと推測できます。菅という官房長官名が報道各社に威力を発揮し、監視役は、例の「官邸のラスプーチン」こと、〇島勲でしょうか。
特定秘密保護法は、昨年12月13日に公布されました。1年以内に施行することになっていますが、すでに実質的には「焼身自殺の件は、特定秘密」と指定されたかのようです。各社ごとの自主規制では、とてもここまで徹底はできないはずです。
集団的自衛権に対する反対の世論が盛り上がりかけたとき、焼身自殺の件が議論に輪をかけると、場合によっては国際的にも取りあげられ、閣議決定にケチがつくと、菅という安倍のお友達らは考えたのでしょう。そして、報道管制。
中国は言論の自由のない国とやゆしますが、日本の実情はどうでしょう。今でも本当に知りたい情報は、隠蔽されたままです。時の権力者や官僚の隠蔽天国です。
総理大臣みずからが、国会討論でも核心を突いた鋭い質問にはまじめに答えず、はぐらかして「次元が違う」などと意味不明な野次りでおしまい。
日本では、まともな議論、建設的な討論が姿を消し、コミュニケーション力が衰えました。特定秘密保護法が本格的に動き出したら、さらに輪をかけて「見ざる、聞かざる、言わざる」の三猿になり下がることでしょう。
兵庫県会議員の号泣会見など”無害な事件”は、繰り返し、繰り返し映像が垂れ流されます。しかし、集団的自衛権がらみの焼身自殺未遂事件は抑え込まれたままです。テレビで日頃、偉そうに解説してみせるコメンテーターの面々も三猿を決め込んですましています。
私たち草の根の民が、よほどしっかりしないと、ますます官僚天国になります。
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