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「小沢弁護団は切り札を持っている」(EJ第3169号) (Electronic
Journal)
http://www.asyura2.com/11/senkyo121/msg/293.html
●「小沢弁護団は切り札を持っている」(EJ第3169号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/232261928.html
2011年10月27日 Electronic
Journal
小沢裁判は、検察審査会が2度にわたって「起訴相当」を出し
強制起訴されており、政治家で起訴されたのは小沢一郎氏がはじ
めてという特異ケースです。しかし、その裁判は、単に小沢一郎
氏が有罪か無罪かを巡る裁判ではなくて、「小沢一郎対司法」の
全面対決の様相を呈してきているのです。
その発端は、10月6日の初公判における小沢氏の爆弾宣言で
す。これは司法に対して小沢氏が宣戦布告したのと同じであると
いえます。これは弁護団の筋書きにはなかったことで、小沢氏本
人の強い希望で行われたものです。
法廷戦術からいえば、法廷の場での検察批判は、被告人にとっ
ては、絶対にプラスにならないものです。しかし、それをあえて
行ったということは、小沢氏はこの裁判の結果が有罪になること
を見抜いていると考えます。本来起訴されるはずのない些細なこ
とで、政治家が起訴された経過から見て、最悪の結果は有罪にな
ると判断したのだと思います。
しかし、小沢弁護団には切り札があるのです。この裁判そのも
のを無効であるとする刑事訴訟を起こせる権利です。前回のEJ
で述べたように、小沢弁護団は今回の検察審査会の強制起訴は違
法であり、無効であるとして東京地裁に行政訴訟を起こしている
のです。しかし、東京地裁はたったの3日でこれを却下したので
す。完全な門前払いです。その理由は次の通りです。
―――――――――――――――――――――――――――――
検察審は準司法機関であり、行政訴訟にはそぐわない。議決は
行政処分には当たらず、行政訴訟の対象とならない。刑事手続
きで争うべきである。 ──東京地裁/川神裕裁判長
―――――――――――――――――――――――――――――
小沢弁護団は、それは織り込み済みで、「議決には重大な瑕疵
があったのに、起訴前に救済されないのは遺憾」として、最高裁
に即時抗告したのですが、最高裁もこれを却下したのです。した
がって、小沢弁護団に刑事訴訟を起こされると、刑事裁判所は行
政処分であるとしてそれを退けることは、もはやできないことに
なります。
これについて、「世界の真実の姿を求めて!」のブログでは、
東京地検検事の落合洋司弁護士の意見を紹介し、次のように述べ
ています。
―――――――――――――――――――――――――――――
検察審査会は刑事手続きの一環としてとらえられており、今回
のような事態(行政訴訟)を想定していない。(新たな“犯罪
事実”が加わるなど)審査会に問題があるとはいえ、手続きの
不備、違法性などは公判で争う余地が十分ある。裁判所はそれ
らを含めて判断するはずだ。検察審の密室性、運用のあり方と
今回の行政訴訟は次元が別ということらしい。もっとも、小沢
側だって、司法当局の出方は分かっていたはず。それなのにあ
えて反撃に出たのはなぜか。ここまでは、小沢弁護団も織り込
み済みでしょう。今回の起訴議決は、政治家に適用された初の
ケース。それだけに慎重な判断が求められたのですが、2回目
の議決で告発容疑にない新たな“犯罪事実”が盛り込まれると
いう異例の展開となった。そこで、審査のおかしさを世間にア
ピールするために、あえて却下を覚悟の上で行政訴訟を起こし
たのでしょう。最終的には裁判でとことん争う覚悟ができてい
ると思いますよ。(憲法学者)
http://oujyujyu.blog114.fc2.com/blog-entry-1277.html
―――――――――――――――――――――――――――――
第2回目の検察審査会の議決の違法性は明白なものでであり、
国としてはきわめて部が悪くなります。もし、国がこの刑事訴訟
に負けると、小沢裁判で小沢氏が有罪になっても、その後でその
裁判そのものが無効になれば、裁判はなかったことになるので、
小沢氏の無罪は確定することになります。
もしそういうことになれば、それはわが国の司法にとって最大
の汚点になり、それは「司法の死」を意味します。それだけでは
ないのです。今までブラックボックスの中で行われてきた検察審
査会の内部処理についても、法廷の場で明らかにせざるを得なく
なってきます。とくに小沢氏に対する2回の「起訴相当」の経過
には多くの疑惑があるのですが、それが白日の下に晒されること
になってしまいます。国としてはそれを避けたいでしょう。
しかし、小沢弁護団はその切り札を使わなくても裁判には勝て
ると考えているようです。普通であれば、この裁判で小沢氏が有
罪になるとはとても考えられないのです。ここにそれを象徴する
きわめて興味深い対談があります。
10月6日の小沢氏の第1回公判の次の日、その公判を巡って
元検事の郷原信郎氏はニコニコ生放送に出演し、小沢氏初公判は
『どこかが狂っている』とこの裁判に疑問を呈したのです。
これに対して元自民党代議士で弁護士の早川忠孝氏は郷原氏の
発言とニコニコ生放送に対し、「ニコニコ生放送は小沢氏の単独
インタビューなどを好んで報道するようで、私のような批判的に
小沢氏の一連の行動を見ている人間にはお呼びがかからないが、
郷原氏の所論はどうにも決めつけが多過ぎる」と自身のブログで
批判したのです。
そこでニコニコ生放送は10月19日に両氏を招いて対談方式
で徹底討論してもらうことにしたのです。その対談の全文が次の
サイトに収録されています。
―――――――――――――――――――――――――――――
対談/「小沢裁判はどこが狂っているか」/郷原VS早川
http://getnews.jp/archives/147009
―――――――――――――――――――――――――――――
ぜひ一読して欲しいのです。郷原氏の所論は明解であり、語気
は鋭く、早川氏はタジタジでとても勝負にはなりません。しかし
早川氏のように考えている人は実に多いです。記者メディア情報
を丸呑みしているのです。
──[日本の政治の現況/95]
≪画像および関連情報≫
●郷原信郎氏/早川忠孝氏の徹底総論から・・・
―――――――――――――――――――――――――――
≪郷原≫大きな目で大きな観点でとらえると、この世田谷の
不動産というのは4億円弱、約3億6000万ぐらいの代金
です。ですから、4億円の借り入れを小沢氏からして、その
4億円を原資にして不動産を購入したと。基本的にはその構
図なんですね。そして陸山会の収支報告書には、4億円の小
沢氏からの借入金は記載されている。そして、世田谷の土地
を購入したということも記載され、その代金の支払いも記載
されている。基本的な構図は十分記載されているわけです。
これが、なぜその政治資金規正法上、重要な事実が収支報告
書に記載されていないという風にとらえられるのかと、まず
根本的に疑問があるんですね。その点なんです。
≪早川≫まず立証責任の話に1回戻っておきますけれども、
基本的には検察官が構成事実の立証に必要な証拠を提出する
わけです。ですから、そういう意味での立証責任はまずは検
察側にあって、弁護側がいくら法律的な主張をしても、それ
をひっくり返す立場ではないと思うんです。
≪郷原≫ちょっと待って下さい。立証責任がある側が、逆に
立証責任のない側にその立証を阻却するというか、その立証
に反する事実を立証できてしまったら、一層その立証責任を
負っている側は苦しいじゃないですか。そんなことは別に立
証責任を負っている、負っていないということは関係ないで
すよ。
≪早川≫そこで郷原さんと僕が違うのは、何といっても、い
わゆる小沢秘書裁判について裁判所は法的な判断をもう既に
下しているわけですよね、いずれにしても。
≪郷原≫ちょっと待って下さい。法的な判断を裁判所が下し
たか下していないかということではないんですよ。今事実に
基づいて、虚偽記入をどう考えるかということを聞いている
んです。ですから、今私が言ったように、基本的に大きな構
図として4億円の借入金で4億円弱の不動産を買った。それ
が収支報告書に記載されている。その大きな構図が記載され
ているのに、なぜ4億円の虚偽記入だと。収入について4億
円が記載されていないという構成になるのか、ここがまず最
大の問題です。ここをどういう風にお考えなんですか。
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