シンポジウム「小沢一郎と新しい日本の政治」開催

6月16日午後6時から9時までの3時間、

小沢一郎議員を支援する会」と「日本一新の会
共催による

シンポジウム「小沢一郎と日本の新しい政治」
−大震災と原発第事故により存亡の危機に立つ
 この國をどのように救うか−
 
が、文京区区民センターで開催された。
 
 シンポジウムは会場を埋め尽くす満席の参加者の熱気に包まれて、盛会裏に終了した。 
 
 私は、小沢一郎議員を支援する会から出席を要請していただいたため、僭越ながら出席させていただいた。
 
 シンポジウムは以下のプログラムに従って進行した。
 
森ゆうこ氏(参議院議員)
「福島第一原発の現状と問題点」
 
副島隆彦氏
「福島現地からの現状報告」
 
川内博史氏(衆議院議員)
「菅内閣不信任と今後の政局」
 
植草一秀
「日本の新しい政治の考え方」

辻  惠氏(衆議院議員)
「小沢一郎及び秘書の裁判の現状と行方」
 
平野貞夫氏(元参議院議員、「日本一新の会」代表)
「大震災、原発危機に直面する政治状況とこれからの日本の政治のあり方」
 
質疑応答
 
 上記のプログラムに従って、シンポジウムは開催された。

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シンポジウム全体の模様を以下の岩上安身チャンネルが配信くださったので、全体はこちらからご高覧賜りたい(その1)、(その2)、(その3)。
 
 私の講演は、上記映像(その1)の
1時間8分35秒時点〜1時間32分20秒時点
および、
次のYOUTUBE映像の
8分45秒経過時点〜32分55秒
に収録されているのでご高覧賜りたい。
 
 YOUTUBE映像(3/6)
  

私がお話しさせていただいた内容の概略は以下の通り。
 
1.はじめに
 本日は貴重な会に参加させていただき大変ありがたく思う。

 自分は現在、閉門蟄居の身に置かれており、シンポジウムへの参加を熟慮したが、せっかく、出席を依頼していただいたので、講師として出席させていただくこととした。ただし、小沢一郎先生、また、小沢先生を支援されている先生方、関係者の皆様、出席者の皆様、その他小沢先生を支援されている皆様方にご迷惑をおかけするわけにはいかないので、一点だけ、はっきりとおことわりを申し上げておきたい。
 
 それは、私が巻き込まれた事件について、いわゆる、国策捜査、国策裁判という状況のなかで不当な判決が示されたわけだが、私が天地神明に誓って無実潔白であるということだ。このことをこの場で改めてはっきりと申し上げさせていただきたい。この点が明確でなければ、このような会に参加させていただくということは絶対にない。今日、ここにお見えになられている方は、現場におられたわけではないので、私の言葉を信用してくださるかどうかということになってしまうが、この点について、なにとぞご理解を賜りたい。
 
 本年3月にオランダの政治学者であるカレル・ヴァン・ウォルフレン氏が
「誰が小沢一郎を殺すのか?」
と題する本を出版された。
 
 原題には 
Character Assassination という言葉が用いられているが、これは「人物破壊工作」と呼ばれるもので、欧米では政治的な敵に対して、いわゆる物理的な暗殺ではなく、人物のイメージを「暗殺」するために、「人物破壊工作」が比較的一般に用いられていることが記述されている。たまたま、Electronics Journal」様が6月16日に、
「小沢一郎への人物破壊の異常さ」
と題する記事を掲載されているが、このなかで、私に対する「人物破壊工作」についても、指摘をいただいた。
 
 小沢一郎氏への人物破壊工作と、自分の例を引き合いに出すことはおこがましいが、私も一種の人物破壊工作の標的にされてきたとの認識を持っている。この意味でも、小沢氏が受けている激しい攻撃を、まったく他人事とは感じずにはいられない。このことも、小沢一郎氏に対する合理性のない激しい攻撃に対して、私が強く抗議し続けている理由のひとつである。
 
2.小沢一郎氏支持の経緯
 私は1993年の細川連立政権樹立の時点から小沢一郎氏支持者であり、その後、まったくぶれていない。より正確に言えば、89年にリクルート事件で竹下内閣が総辞職をして以降、いわゆる政治改革の動きが始動し、そのなかから、選挙制度変革の動きが生じた。これらの一連の動きのなかで、政治改革を主導した小沢一郎氏を支持したのである。
 
 先に述べた小沢氏に対する人物破壊工作の淵源は、古くこの政治改革の動きにさかのぼるのである。
 
 細川連立政権は崩壊し、自民党は政権政党に返り咲いてゆくが、そのなかで与野党対決のひとつの焦点になったのが1996年の消費税増税提案だった。私は経済分析の視点から消費税増税が時期尚早であるとの主張を示したが、この見解を当時の新進党が採用した。10月20日の総選挙では、消費税問題が争点になったが、反自民票が新進党と創設されたばかりの民主党に分断されて、結局、自民党が勝利して消費税増税が実施された。
 
 その後、小渕政権での自自連立、連立解消、小泉竹中政治との対決など経緯があったなかで、私は一貫して小沢氏および自由党の主張に近いところでの主張を継続してきた。

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3.政治の原点への回帰
 本題として三つのことを申し上げたい。第一は、原点への回帰である。
 
 その第一は、民主主義の原点への回帰である。日本の政治制度の基本には国民主権が置かれている。国民を主役とし、国民のために政治があるとの考え方である。このことを基本に置くとき、主権者国民の意思を表面する最大の機会は国政選挙である。
 
 昨年7月11日の参院選に際して菅直人首相が何を言ったかを考えねばならない。菅首相はかつて、自民党が政権をたらい回しにしたことについて、政権の正統性欠如を強く批判した。国民の信を受けていない政権を認めるわけにはいかないと主張した。
 
 このことを踏まえて、菅直人氏は、昨年7月11日の参院選が菅内閣に対する信任投票であることを明言したのだ。このことは、枝野幸男幹事長の時事通信社とのインタビューにもはっきりと記録が残されている。
 
 この参院選で民主党が大敗した以上、この時点で菅直人氏は退陣しなければならなかった。それにもかかわらず、1年間も政権の座にしがみついている。先日の内閣不信任決議案は「やめやめ詐欺」で否決されたが、1年前に主権者国民が内閣不信任決議案を可決していることを再確認する必要がある。
 
 第二は、政権公約への回帰である。主権者国民の意思が政治に反映されるためには、政党が総選挙に際して政権公約を明確に示し、これをもとに主権者が判断するというプロセスが不可欠で、同時に重要なことは、政党がこの政権公約を確実に守ることである。
 
 2009年8月総選挙で、いくつか重要な公約が示された。一つは消費税増税問題だ。鳩山代表は、2013年までの次の衆院任期中は、天下り根絶など政府支出の無駄排除に全力を注ぎ、消費税増税を封印することを確約した。主権者国民はこの民主党を大勝させた。
 
 ところが、菅直人氏は昨年7月総選挙で、突然、消費税率10%への造増税を提唱した。しかし、主権者国民はこの民主党を大敗させた。
 
 さらに、菅直人氏は今後、大きな税制変更を行う場合には、必ず事前に主権者国民の意思を総選挙で確かめると確約した。それにもかかわらず、いま、菅政権は2015年度消費税10%への増税などの措置を、主権者国民の意思を踏みにじって政府決定しようとしている。言語道断の暴挙と言わざるを得ない。
 
 また、2009年8月総選挙で、民主党は、子ども手当、高校授業料無償化、高速道路無料化、農家個別所得補償など、重要な政権公約を掲げた。財源として、政府支出の無駄を切ることも提示した。これらの公約はいまも生きている。これを主権者国民の意思を踏みにじって、勝手に廃棄することは許されない。
 
 三つ目に、2009年8月総選挙を通じて実現した政権交代は、極めて重要な政策目標を背負うものだった。日本の政治構造を根幹から刷新する課題を背負っている。
 
 それは、官僚による支配、米国による支配、大資本による支配、を刷新するというものだ。そのための具体策が、天下りの根絶、普天間の県外・国外への移設、企業団体献金の全面禁止だった。これらの公約も依然として生きているのだ。これらをないがしろにすることは、主権者の意思を無視することである。

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4.レジテマシー=正統性の尊重
 二番目の論点は、政治においては、正統性が常に問われるということだ。
 
 日本政治の足取りを少し振り返りたい。
 2006年4月小沢氏が民主党代表の地位に就いた。民主党の大躍進は小沢氏の代表就任と同時に始動した。千葉7区の衆院補欠選で太田和美氏が奇跡の逆転勝利を収めた。
 
 2007年参院選に民主党が大勝して参議院における与野党逆転を実現した。政権交代実現への確かな手がかりをつかんだ。
 
 小沢氏に対する攻撃の淵源は、1990年以降の政治改革の動きにあり、小沢氏が自民党を飛び出して政権交代を実現させた1993年以降、実は一貫して継続されている。
 
 竹下元首相がマスコミによる小沢氏攻撃を目的に「三宝会」を創設したことは平野貞夫氏がご著書に記されている。
 
 小沢氏が民主党代表に就任して以来、一貫して小沢氏攻撃が展開された。2007年秋の大連立構想は小沢氏の影響力を排除するための工作であったと考えられる。2008年春の日銀人事問題では、最終局面で田原総一朗氏と仙谷由人氏による小沢氏失脚工作が存在したと思われる。2008年秋の代表選では執拗に複数候補による代表選がマスゴミによって主張された。これも小沢氏を攻撃するためのものだった。
 
 これらの工作を小沢氏がすべて克服したこところに、2009年3月3日の大久保氏不当逮捕が生じた。小沢氏は5月11日に代表辞任の意思を表明し、結局、2009年9月に鳩山政権が誕生した。
 
 しかし、2010年1月13日の大久保氏第2回公判で、大久保氏逮捕が完全に誤認逮捕=不当逮捕であることを判明したのだ。つまり、本来は小沢政権が誕生し、いまも小沢政権が存在しているというのが、正しい歴史の姿だったのである。つまり検察の暴走は、日本の正史を歪めてしまったのである。 
 
 さらに、昨年9月14日の民主党代表選では、小沢一郎氏が本来当選していたはずだと見られているが、不正な方法で、選挙が覆されたとの疑惑が濃厚だ。この選挙で小沢氏は国会議員票200票を獲得して惜敗した。
 
 菅直人氏が引責辞任するいま、後継代表、後継総理大臣に小沢一郎氏が就任するのは、憲政の常道に従うものである。
 
 先ほど政権公約について述べたが、2010年6月2日の政変によって樹立された菅直人政権は民主党政権としての正統性を有していない。政権公約がその後、民主的な手続きも経ずに根底から踏みにじられていることがその最大の証左である。
 
 6.2政変を首謀したのが、菅−仙谷−岡田−野田−前原−枝野−玄葉−渡部の民主党悪徳8人衆である。
 
 この悪徳8人衆を中心とする勢力を私は、民主党の政権公約を遵守し、政権交代の大義を重んじる「民主党正統」に対して「民主党悪党」と呼んでいる。
 
 次期民主党代表は、必ず、「民主党正統」から選出し、「民主党正統」が民主党の実権を奪還しなければならない。

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5.マスゴミと草の根民主主義の全面戦争
 第三の論点は、私たちが偏向情報しか流さないマスゴミとの全面戦争のなかにいるという自覚を持たなければならないということだ。
 
「ヤフーみんなの政治」や「BLOGOS」が実施するインターネット上の世論調査では、次期首相候補の筆頭に小沢一郎氏が推挙されている。これが、政治に関心を持つ主権者国民の本当の声を示している。
 
 ところが、マスメディア、最近の表現では「マスゴミ」は、これまでの利権複合体による日本政治支配の構造を死守しようと、偏向した虚偽の情報しか流さない。
 
 この状況下で、主権者国民は、真実の情報を草の根から発信して、マスゴミによる情報操作、情報工作に打ち克ってゆかねばならない。
 
 それは、容易なことではないが、私たちは希望を捨ててはならない。
 
 小沢一郎氏が昨年9月14日の代表選で、重要なメッセージを発した。
それは、
 
「私には夢がある」 
 
と言う言葉だ。
 
 米官業政電の利権複合体=悪徳ペンタゴンは、日本政治を、この利権複合体のための存在であり続けさせようと、必死の行動を示しているが、日本の政治は、本来、日本の国民、主権者のためのものである。
 
「国民の生活が第一」の言葉に、この精神がいかんなく込められている。
 
 今後、利権複合体は、消費税大増税、辺野古へのV字形滑走路建設、原発推進などの施策を強行実施しようとしてくると予想されるが、主権者国民は力を結集して、これを阻止しなければならない。
 
 私たちは夢を持ち、力を合わせて、必ず主権者国民の主権者国民による主権者国民のための政治を実現してゆかなければならないと思う。
 
 以上が私の講演概要だが、質疑応答でお話しできなかった点については、稿を改めて記述することとする。

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